odeko2006-10-27

江戸東京博物館で開催された「第20回 歌舞伎フォーラム公演」に行ってきました。
2月の公演がとても解りやすく、楽しかったので今回もワクワク感たっぷりです。
今回も3部構成ですが内容は前回と異なり、第1部はお客さんを舞台に上げて歌舞伎に親しむ事を目的にした「歌舞伎の美」、第2部は歌舞伎「息子」、第3部は歌舞伎舞踊「応挙の幽霊」休憩を2回挟んで3時間強の長丁場、終演後にはバックステージツアーにも参加して、歌舞伎の裏側を堪能してまいりました!!

  • 第1部「歌舞伎の美」

 解説/松三郎
 芸者/京妙、鳶頭/瀧之

「江戸の美、上方の美」というサブタイトルの第一部。着物の着こなしや足の運びといったことまでも土地柄からか所作が違うんですね。チャキチャキの江戸っ子に本音と建前を使い分ける上方商人、昔も今も東京と関西って街や人の雰囲気が全然違うんだなと実感です。

  • 第2部「息子」

 火の番の老爺/松之助、金次郎/松三郎
 捕吏/瀧之

  • あらすじ

 師走の江戸、 火の番小屋で焚火にあたる老爺のところへ大阪からやって来たという金次郎が 飛び込んでくる。上方に行っている息子の事を語る老爺に、金次郎は道を外しているのではないかと問うが老爺は息子を信じてやまない。自分の父親だと確信した金次郎だが打ち明ける事が出来ずにいると、捕吏がやってきて金次郎を捉えようと追い回す。逃げまわるなかで火の番小屋に戻った金次郎は「ちゃん」と呼びかけ小屋を後にする。その姿を黙って老爺は見送っていた。

テレビで見た事のある演目「息子」。3人だけの登場人物で親子の想いを表現しています。親が子を想う気持ち、子が親を想う気持ちが切なく描かれていて心に響く好きな作品。舞い落ちる雪がとても印象的ですね。
時代は変わっても人間の心は変わらないんですね。その大切な気持ちを忘れている人達が増えてきている昨今、この話が理解出来ない時代にならないように願うばかりです。

  • 第3部「応挙の幽霊」

 道具屋甚三/松之助、松五郎/瀧之
 お仙(幽霊)/京妙

  • あらすじ

 市で幽霊画を格安で仕入れてきた甚三は松五郎を騙した高額で売りさばく。高額で売れた幽霊画を拝みお酒を一杯供え飲んでいると、掛軸から幽霊が飛び出してくる。この幽霊が大酒飲みの酒乱で歌うわ踊るわの大騒ぎ、酔いつぶれて寝てしまった所へ松五郎がやってきてびっくり仰天してしまう。

落語が原案というこの演目「応挙の幽霊」。とにかく楽しい、面白い。掛軸から出てくる色っぽい幽霊が次第に酒乱になっていく様子は滑稽でありながら笑ってしまう。幽霊の定番スタイルである手首から下をダラ〜ンとたらしたポーズを崩す事なくお酌をしたり、踊ったり…部屋中の物が飛んだり倒れたり。ぜひもう一度見てみたい!!

いや〜やっぱり歌舞伎は楽しい。

そんな公演が終了後にバックステージツアーというのに参加してみました。