「四日間の奇蹟」を観てきました。レディースデーだった事もあってか、満席状態の館内にまずはビックリです。

ロンドンの街角で暴漢に襲われた千織(尾高杏奈)を助けたピアニストの如月敬輔(吉岡秀隆)。ピアニストの命である指に負傷し将来を断念した如月は、脳に障害を持つ千織の才能を見いだし各地の施設を慰問する日々を送り始める。事件から5年後に訪れた小さな島の療養センターで、如月を初恋の人と密かに思う真理子(石田ゆり子)と出会い不思議な出来事に遭遇する…

前にも書きましたが、原作の「四日間の奇蹟」を読んで感動した自分としては、メチャメチャ楽しみにしていた作品です。役者さん達の演技力はさすがの一言、吉岡秀隆石田ゆり子西田敏行はもとより、千織を演じた尾高杏奈も見事に役を演じきっていたのではないでしょうか。命というものについて、残されるもの、残して行くもの…淡々と進んで行く物語の中に人の心が描かれているように感じます。
しかしながら、原作のイメージがどっぷりと頭の中にある自分は映画を観ていて何となく違和感というか、厚みが足りないような感じがしたのです。映画では真理子の視点で話が進んで行くのですが、原作では如月の視点だったように記憶しているからなのでしょうか?ピアニストとしての道を閉ざされた如月の思いや、千織との関係・距離感といったものがもっと描かれていればよかったなぁと思います。とはいっても2時間の作品の中にすべてを求めるのは無理な話なんですが…もう一度原作を読んでみる事としましょう。