「どろろ」

odeko2007-03-21

ニュージーランドで撮影したという手塚治虫原作の「どろろ」を観てきました。自分は原作を読んだ事がないので予告だけの印象ではなかなか楽しそうな作品です。
 

はるか古か遠い未来かさだかでない、戦乱という殺し合いが長く続く暗黒の時ー そんな時代、天下を取るために禁断の契約(生まれくる子供の四十八箇所をささげる)を魔物達と結ぶ武将・醍醐景光中井貴一)。
20年後の街で自分の身体を取り戻すために魔物と戦う醍醐景光中井貴一)の息子、百鬼丸妻夫木聡)。そして彼の腕に仕込まれた刀を狙うどろろ柴咲コウ)。ともに旅する二人はいつしか力を合わせ、それぞれの目的に向かい魔物退治を続けて行く、といったアクション時代劇。

 
撮影地はニュージーランド南島クライストチャーチ周辺のカンタベリー地方ということで、懐かしい風景が画面に広がり…。と言いたいとこですが見ただけではどこだか分かりません。
ラストシーンなんかはダニーデンか?なんて思ってみたものの大はずれ。うん、時代も場所も架空の地ですからね、でもNZだと言う事はビシビシ伝わってきましたが。。。
興味はニュージーランドの映像にあったりするのですが…雄大な自然ばかりに目がいってしまい、せっかくの殺陣のシーンがこじんまりした印象になってしまい迫力不足に見えてしまったのは残念。
劇中では彼らがどれくらいの距離を移動しているのか?どろろと出会ってからどれくらい時間がたっているのか?自分にはいまいちつかみきれなくて、近所の村を移動しているんだか西遊記のように途方もない距離を移動しているのかわからないままストーリーは進んで行くのであります。うん、西遊記のようだ!
着ぐるみの妖怪がショッカーの怪人にしか見えず…CGの妖怪にそりゃないだろと唖然とし…もっとおどろおどろしい雰囲気が前面に描かれていたらよかったのにな〜と戦いのダイジェストシーンでは深く感じます。
パンフのデザイン画を見ると妖怪も城もいい雰囲気なんだけど、やっぱり現実問題としては予算の関係もあるしなかなか映像化するのは難しいんでしょうな。
 
と 一番気になったのは映像。彩度を落とした全体の色使いと粗粒子感がどうにも受け入れられなくて、内容よりもそっちの方が気になってました。この作品で用いられたのが「フラ・ガール」で使われていたという「銀残し」という技法(コントラストを高め、彩度を落とす)なのか、デジタル処理による効果なのか分かりませんが、映画のポスターなどのスチールが自分好みの雰囲気だったので残念。
でも、モノクロでもセピアでもなく彩度を落としたカラーで表現したいという気持ちは自分も同感。彩色したモノクロプリントのような感じとでも言えば良いのか?非現実的な表現としてなのか?先日アップした谷根千の写真も同じような意図で彩度を落としてたりしています。リアルなイメージではなく記憶の中の昭和とか非現実的な雰囲気にしたかったんですが。。。

なんてつまんなかったように書いていますが、弾けっぱなしの柴咲コウもクールな妻夫木君も良かったですよ。でも、どうしても自分は邦画を観ていると、バラエティーやらに出ている時の俳優が頭に浮かんでしまう…映像に集中出来るから邦画は好きなんだけど、俳優ありきの作品になり過ぎちゃうとやはり残念。俳優さんも昔のように 雲の上の人 くらいにミステリアスな方が魅力的なのにな。



どろろ オリジナル・サウンドトラック

どろろ オリジナル・サウンドトラック